火鳳燎原 第一〜五巻

第一巻

台湾版第一巻

日本版第一巻


 記念すべき第一巻は董卓の入京から、司馬懿が洛陽に囚われた司馬朗を救うために
残兵を派遣するところまで収められています。
連載が始まった頃の画風は武侠漫画のそれに近く、今時の日本の少年漫画には無い
濃さがあります。そのせいで食わず嫌いをする人が意外と多いようです。

 中文版の表紙は司馬懿・燎原火の主役二人、邦訳版は燎原火です。
中文版はいかにも少年漫画といった趣で、まだ垢抜けてません。
一方、邦訳版は一冊につき、登場人物を一人づつ載せていく手法を取っています。
個人的には、これがもしカラー絵だったら断然邦訳版を支持するんですが…。
描き下ろしというのが、せめてもの救いです。



第二巻

台湾版第二巻

日本版第二巻


 この巻は燎原火ら"残兵"の洛陽での活躍が主な内容です。
物語的にはキャラ同士の出会いが中心なので、正直退屈な巻です。
でもここで脱落しないように。

 中文版の表紙は呂布と華雄、邦訳版は司馬懿です。



第三巻

台湾版第三巻

日本版第三巻


 この巻の見所はやはり、水鏡八奇と呂布の登場です。
袁方関連の計略等、つっこみたくなる点は多々ありますが、
臥龍と鳳雛の活躍は一見の価値あり。燎原後語での自画自賛は伊達じゃない。

 中文版の表紙は燎原火と小孟、邦訳版は小孟です。
以前、2chのスレに「この小孟は描き下ろしじゃない」という旨の書き込みを
したんですが、私の思い違いでした。
中文版の四巻に、この絵と同じ構図のイラストがあったので、それを流用したものだと
思い込んでいました。画風が全く違うのに、気づかなかった自分が情けない。



第四巻

台湾版第四巻

日本版第四巻


 呂布が本格的に登場したことで、ようやく物語が少し動いた感じがする第四巻。
燎原火と三兄弟の出会いや、やたらカッコいい文醜が一押しです。
そしてこの巻でも袁方には色々とつっこみたいわけですが、それは追々
各話紹介の方でぶちまけたいと思います。

 中文版の表紙は呂布と小孟、なんですが、この巻の表紙はもう一種類ありまして、
そちらには燎原火・張雷・郭昴の三人が描かれています。
その両方を並べると一枚の絵になるという、珍しい造りになっています。
私が持っているのは呂布と小孟の方だけなので燎原火たちの方はupできませんが、
通販サイト等で探せば画像は見つかると思います。
(邦訳版第4巻裏表紙には、この両方の表紙が並べて掲載されています。
これはグッジョブだわ)

 邦訳版の表紙は、琴を弾く司馬懿と燎原火です。
これまでとは趣がガラリと変わり、しかもカラーイラストになりました。
それ自体は嬉しい事なんですが、次の表紙に誰が来るか予想する楽しみが
無くなったのは、少し悲しい事かもしれません。



第五巻

台湾版第五巻

日本版第五巻


 この巻の目玉は何と言っても、燎原火VS呂布です。
(と言っても私が初めて読んだときは、相変わらずカッコいい文醜の方に
目が行ってしまったわけで)
そしてラストでは、とうとう曹操が登場します。
(と言っても登場するだけなんですが)

 第五巻を読んで思ったんですが、この作品は作中の世界の空気を
読者に伝えるのがとても上手い。
この辺りの話では、黄河流域の乾いた空気が読んでいて伝わってきます。
こういった空気が感じられるか否かで、作品にのめり込む度合いが変わりますから、
これは重要な事です。

 中文版の表紙は司馬懿・燎原火・董卓の三人です。
このイラストは作中の一場面を基にして描かれています。

 邦訳版の表紙にもこれと同じイラストが使われました。
しかし日本の漫画本の縦横サイズは香港等のそれより少し大きいので、
イラストの見切れていた部分がちゃんと入っています。
些細なことではありますが、少し得した気分になりますね。



[ 1〜5巻 / 6〜10巻 / 11〜15巻 / 16〜20巻 / 21〜25巻 / 26〜30巻 / 31〜35巻 / 36〜40巻 / 41〜43巻 ]

(C)東立出版社有限公司(C)MEDIA FACTORY


inserted by FC2 system