火鳳燎原 第六〜十巻

第六巻

台湾版第六巻

邦訳版第六巻


 洛陽編が終了し、この巻では三国志ファンが待ちに待った曹操と
その一族の武将たち、そして水鏡二奇・荀ケが登場します。
更に虎牢関の戦いでは、桃園三兄弟がようやく大暴れしてくれます。
 第五巻までこの作品に中々馴染めなかった人でも、有名人が多数登場する
この巻ならすんなり読めると思います。
それに加えて、この辺りは画風の変革期に当たり、濃い絵柄を見て
敬遠していた人にも勧めやすい巻でもあります。

 中文版の表紙は虎牢関編の主役である三兄弟と呂布です。
せっかくのカラー三兄弟なのにセピアカラーなので、彼らのはっきりとした
配色が分からないのが残念です。
邦訳版の表紙には、なぜか中文版第27巻のイラストが使われています。



第七巻

台湾版第七巻

邦訳版第七巻


 第七巻は袁紹軍と公孫瓉軍との戦いである「界橋の戦い」と、
残兵の長安潜入がメインとなっています。
「界橋の戦い」と言っても、軍隊同士の戦争らしい戦争はありません。
(そういった戦争は第11巻以降に描かれています)
それでも燎原火や、第六巻に引き続き登場する三兄弟の活躍はありますので、
戦闘シーンが好きな人なら満足できるはず。

 中文版の表紙は、"趙"の一文字が染め抜かれた外套で身を包んだ燎原火です。
個人的には、中文版の表紙ではこの巻と第十六巻が双璧だと思います。
(これは二十巻発売当時の感想です)
邦訳版の表紙は貂蝉です。



第八巻

台湾版第八巻

邦訳版第八巻


 前巻とは打って変わって、宮中での謀略がメインの第八巻。
長安編を董卓の死で前・後編に区切ると、ちょうどその前編にあたります。
 四巻以降、派手な場面が目立っていた上、長安編・後編が『火鳳』中でも
屈指の熱さを誇るだけに、谷間となるこの巻の地味さが際立っています。
しかし、董卓と李儒についての描写を理解できてからは、
ただの箸休め的な章ではないと思い直しました。

 中文版の表紙は、この章での主役側の三人です。
正直、燎原火の顔がバタ臭すぎます。
邦訳版の表紙は燎原火です。



第九巻

台湾版第九巻

邦訳版第九巻


 この第九巻では、初巻から登場していた董卓がとうとう逝きます。
そして彼の死によって物語が大きく動き出します。
 有り体に言いますと、私はここまでの話は"前座"に過ぎないと思っています。
つまりここからが本番なので、この作品に興味を持たれた方には第九・十巻を
是非とも読んでいただきたい。

 中文版の表紙は、いかにも武侠的なポーズの燎原火です。
邦訳版の表紙は賈詡です。



第十巻

台湾版第十巻


 この巻に収められている第七十八〜八十回の流れは、
本当に神懸かっていると思います。
董夫人にしばかれる賈詡・男気溢れる牛輔・馬騰の子馬超、
これら一連のシーンを読む度に、いまだに感動します。
この辺りは直接読んでいただきたいので、邦訳版が出るまでは
具体的なネタバレは極力避けたいと思います。

 中文版の表紙は賈詡と、八奇の装束の郭嘉です。
賈詡と郭嘉では髪の総量が大分違うはずなのに、八奇特有の
T字マゲを結うと同じ大きさ、形に・・・。



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