火鳳燎原 第二十六〜三十巻

第二十六巻

香港版第二十六巻


 第26巻はこれまで以上に見どころの多い贅沢な一冊です。

 綺羅星のごとき群雄とその配下の活躍もさることながら、主人公二人が
自らの歩むべき道を見つけ、歴史の表舞台に関わり始めていく様は
見ていてとてもワクワクします。
司馬懿と趙雲が主役であることや、各種オリジナルの設定に
いまいち馴染めない方にこそ、ここまで通して読んでもらいたいですね。

 中文版の表紙は燎原火、劉備、呂布の三人です。
いずれの人物にも特筆すべき見せ場があり、この巻の表紙を飾るに相応しい
イラストだと言えるでしょう。



第二十七巻

香港版第二十七巻


 この巻では劉備軍と呂布軍の戦いから、劉備軍の敗走までが描かれています。

 とうとう呂布と張飛、そして関羽とのサシでの勝負、正真正銘の一騎打ちが
描かれました。戦いの決着自体はアレなんですが、三者全員の格を落とすことが
無いよう気を配られているのが好印象です。
彼らだけでなく劉備、趙雲といったお馴染みの面子、そして初登場の曹性もかなり
味のある人物に仕上がっており、前巻に引き続きかなり満足度の高い巻だと思います。
 個人的には、久々に登場人物紹介が掲載されていたのが、さり気に嬉しかったり。

 中文版の表紙はこの巻の主役の二人、関羽と張飛です。
第22巻と同じく、この巻のタイトルや作者名は金刷りになっています。
しかしスキャン画像はやはり真っ黒に。無念。



第二十八巻

香港版第二十八巻


 第28巻からは曹操軍VS呂布軍、つまり呂布の死が描かれる章が始まります。

 この巻の見所は何と言っても高順の活躍と、演義の名場面である
"夏侯惇 矢を抜いて睛を啖う"に相当する話です。
原典では1ページ程度の話に4回分もページを割いている辺り、作者の並々ならぬ
こだわりが窺えます。

 中文版の表紙は司馬懿です。
前回は金刷りでしたが今回は青い銀刷りと、2巻続けての豪華仕様となっています。
しかしスキャ(略



第二十九巻

香港版第二十九巻


 この巻は前巻から引き続き、曹操軍と呂布軍の戦いが描かれています。
陳宮の策と高順の騎兵、更には泰山の賊将の離反により窮地に立たされる曹操軍。
これを三奇+司馬懿が、どう引っくり返すかがこの巻前半の見どころです。
 そして巻の後半では呂布の娘の嫁入りが描かれています。
呂布の娘、通称・小東西("ちびっ子"とか"おチビ"の意)の健気さは異常。
それだけにラストの衝撃度がハンパないことに…。

 ちなみに、このところの単行本1冊ごとの収録話数は8回でしたが、この巻では
珍しく1回分多い9回収録されています。

 中文版の表紙は呂布父子です。
これ以外は考えられないくらいぴったりな人選ですね。



第三十巻

香港版第三十巻 高順版香港版第三十巻 張遼版


 第30巻はラストの第247回以外、ひたすら戦闘シーンが続きます。
前半戦は前巻の衝撃的なラストから引き続き、呂布VS曹操軍の諸将、
間に小休止を挟み、後半戦は高順の曹操本陣への奇襲から始まります。
第28巻の戦闘シーンも凄かったのですが、今回はそれを更に上回る内容で、
その力の入れようを見るに呂布の最期を感じずにはいられません。

 巻末には下邳の戦いにおける各軍の進軍経路図が掲載されています。

 中文版は第4巻と同じく表紙が2種類あり、2冊並べると1枚の絵になります。
その表紙を飾るのは呂布の忠臣二人、高順と張遼です。
この土壇場で高順を表紙にもってくる陳先生の粋な計らいに感動した!



[ 1〜5巻 / 6〜10巻 / 11〜15巻 / 16〜20巻 / 21〜25巻 / 26〜30巻 / 31〜35巻 / 36〜40巻 / 41〜43巻 ]

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