火鳳燎原 第三十一〜三十五巻

第三十一巻

香港版第三十一巻


 この巻ではとうとう呂布陣営が崩壊します。
彼らが次々と捕縛、もしくは討ち死にしていくので、呂布陣営が好きな読者には
かなりこたえる内容となっています。
しかしそれだけに巻の中盤以降は一話一話がクライマックス、前巻が全編通して
一つの大きな山とすれば、今回は大きな山がいくつも連なっている印象があり、
読みごたえという点では前巻に勝るとも劣りません。

 ちなみに、第29巻と同じく今回も9回分収録されています。

 中文版の表紙は劉関張の三兄弟です。
確かに彼らの(というか劉備の)見せ場はありますが、ここは呂布陣営の主だった面子
勢ぞろいにして欲しかったですね。
前巻が高順と張遼、前々巻が呂布だったからそれは無理か…。
嗚呼、陳宮…。



第三十二巻

香港版第三十二巻


 呂布が死にます。
他にも重大なイベントが目白押しですが、呂布が死ぬ、この巻はこの一点に尽きます。

 そして燎原後語には陳先生による、三国無双(?)の呂布のカラーイラストが
掲載されています。カッコいいのでこれは必見。

 中文版の表紙は貂蝉(小孟)です。
邦訳版第7巻の表紙に先に使われてしまったせいで、なんだかなという感じです。



第三十三巻

香港版第三十三巻


 呂布が死んで一区切りつき、待望の新章突入です。
が、その前にこの巻の巻頭には火鳳外伝1、2話が掲載されています。
ここで外伝を挟むのは、幕間劇と前後の章の橋渡しを兼ねた良い演出だと思います。

 そして本編では久々に江東の情勢が描かれています。
呂布と入れ替わるように登場した孫権と、快進撃を続ける孫策、周瑜の前に
現れた仙人・于吉。
この于吉が孫策にとってのラスボス的存在になるようで、孫策の死がどう描かれるか
呉ファンもそうでない人も気になるところです。

 中文版の表紙は二喬です。
作中では彼女達の髪にはベタではなくトーンを貼ってあるので、茶髪かと思いきや
カラーイラストではもろに黒髪。どういうこと?



第三十四巻

香港版第三十四巻


 曹操と劉備の英雄論に始まり、曹操と袁紹が開戦したところで終わるこの巻。
その間の回のほとんどが、趙雲が袁譚とその配下のオリジナル部将らを
フルボッコにする話で占められています。
その様はまるで、主役なのに呂布の最期に関われなかった鬱憤を晴らすかのようです。

 中文版の表紙は趙雲です。



第三十五巻

香港版第三十五巻特装版


 この巻では劉備の袁術討伐と、沙羨の戦いが並行して描かれています。
演義でスルーされた沙羨の戦いが描かれただけでも感涙モノなのに、孫策VS甘寧、
太史慈VS黄忠という好カードまで組まれては、脳汁だだ漏れでほぼ逝きかけました。
まったく陳先生は希代のマッチメーカーですわ。

 中文版の表紙は孫策です。
初登場から20巻近く経て、ようやく孫策が表紙を飾りました。
今後もこの調子で色々なキャラのカラーイラストを描いて欲しいですね。
せっかく魅力的な登場人物が多いのですから。



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