前巻のあらすじ 第二十一〜三十巻


 第二十一巻
第21巻裏表紙
 袁術の部下、紀霊と劉勲は常日頃から不仲だった。
周瑜はこの点を利用し、劉勲の麾下に偽降した。
彼は功を急ぐ劉勲に、兵を動かし江東の劉繇を攻めるよう献策した。
また一方では漢皇叔・劉曄の助けを借り、荊州の劉表軍をも引き出して紀霊に対処した。

  一兵も損じることなく、孫策はたやすく袁術の兵力を削いだ。
更に袁術は、思いがけず三方面に敵を抱えた困難な状況に置かれることとなった。
孫策はこの千載一遇の好機に乗じ、江東に孫家を再興すべく動き出した。



 第二十二巻
第22巻裏表紙
 袁術の下を離れた後、孫策は江東一帯にてその才を遺憾なく発揮した。
當利口にその人ありと謳われた劉繇の大将・張英もその戟の前に敗れ、
小覇王の名は江東を震撼させた。

 その後、劉繇はサク融、薛礼ら同士の軍と共に孫策を包囲した。
これに対し、孫策は速戦速決すべく策を用いた。
凌操の墓を打ち壊し、この罪を劉繇に着せたのだ。
彼の目論見どおり軍の士気は沸き立ち、一気呵成に劉繇らの軍を打ち破った。

 この他には、劉繇に軽んじられてきた将・太史慈が孫策との一戦の後、
孫策の用人の道に深く感じ入っていた。
同じように、才を愛する孫策にも太史慈を麾下に収めたいという思いが生じていた。
最終的には、竿を立てれば影ができるように、孫策の説得は太史慈を心服させた。



 第二十三巻
第23巻裏表紙
 劉備は下邳の守りを張飛に任せ、勅命に従い袁術を打つべく出兵した。
この一戦は、同行した関羽に紀霊を敗らせただけでなく、劉備の名声を大いに高めた。
しかし惜しいかな、徐州軍への補給が途切れたため、戦の決着がつくことはなかった。

 その一方で、小沛に駐屯する呂布が徐州を虎視眈々と狙っており、劉備の出征という
好機と陳宮の計略により下邳を奪取し、徐州をその手に収めた。

 敗残の兵を率いた張飛は劉備を覚醒させ、徐州を手に入れた呂布は領地を得た。
両者共通の思惑の下、最終的には双方が利を得る結末に落ち着いた。
なぜなら彼らはお互いが真の敵ではなく、それが他にいることを知っていたのだ。



 第二十四巻
第24巻裏表紙
 曹操は張繍を討伐すべく出兵したが、兵が淯水に至ると張繍は城を献じ帰順した。
飛ぶ鳥を落とす勢いの曹操にとって全てが順調に運ぶかに見えたが、
六奇・龐統の出現が彼の思い通りにはさせなかった。
漢室再興の旗を掲げる龐統は、曹操に抗すべく各地の小勢力を宛県に集結させた上、
曹操暗殺のために燎原火を雇った。
これらと同時に離間の計を用いて、帰順して間もない張繍を謀反を起こさざるを
得ない状況に追い込んだ。

 曹操は全くの無防備な状態で奇襲を受け、敗北は火を見るより明らかだった。
忠将典韋は捨て身で抗戦した末に燎原火の手で壮絶な戦死を遂げ、猛将許褚は
単身敵陣中で主を救い曹操の命脈を保った。

 しかしこれら全ては龐統にとって前奏に過ぎず、環の連なりはまだ終わらない。



 第二十五巻
第25巻裏表紙
 龐統の連環の計は淯水にて曹操軍に大打撃を与えた。
曹操が舞陰に逃げ戻ろうとするときも、張繍は追撃の手を緩めず背後に迫っていた。
幸いなことに大将于禁が本陣に堅い守りを敷き、策を用いて梁平、宋立同盟軍を
打ち敗ったため、曹操は命を長らえることとなった。

 その頃、龐統は呂布と劉表の力を糾合して、彼らに曹操の援軍を牽制させ、
更には司馬家が曹操に軍糧を差し出さぬよう念を押していた。
曹操は多方面からの挟撃を受けることになったが、荀ケ、郭嘉、程cの三人が
この絶体絶命の危機から救い出してくれることを願うしかなかった。

 その一方で、新たな残兵の首領が兵を率いて司馬家に現れ虐殺を始めた。
その正体はなんと許臨の長男の許定だった…。



 第二十六巻
第26巻裏表紙
 司馬懿の曹操への反抗が始まった!
しかし司馬懿にも予測できなかった。
彼が動き出すと同時に、許臨の長男・許定が司馬家の者を皆殺しにすべく
部下を率いてやってくるとは…。
張雷は敵の進攻を止められないと知りつつもただ一人立ちはだかったが、
怒りに燃える許定の前にとうとう敗れ去り、更には左足を奪われてしまう。
しかし間一髪のところで燎原火が現れ、張雷らは危機を脱した。

 司馬懿は肉親たちが殺されたことを知り驚愕するが、ただ清風幇と各地の盟友たちを
撤退させ、自身は山家に一時避難することしかできなかった。

 この戦いを通じて、司馬懿と燎原火それぞれが己の人生の目標を見出すこととなる!



 第二十七巻
第27巻裏表紙
 司馬家が曹操に敗れた後、残兵は事実上壊滅したも同然だった。
司馬懿は情勢を鑑み反曹連合の盟主である劉寵を暗殺、その首を持参し曹操に投降した。
大いなる復讐計画を実行するために。

 その一方では、袁術が自ら大軍を率いて親征に乗り出し、徐州の呂布を攻めた。
しかし無敵戦神の武勇の前に、再起できないほどの大敗を喫してしまう。

 そして劉備を曹操に敵する勢力にすべく、燎原火は「趙雲」としてその麾下に身を投じた。
これにより劉備は思いも新たに漢高祖の道を歩み出した!



 第二十八巻
第28巻裏表紙
 野心に溢れる呂布は、荊州に向けて出発する劉備を突如攻撃した。
劉備は防備が間に合わず、ほうほうの体で徐州から逃亡した。

 徐州城外では、呂布がその巧みな馬術によって殿となった張飛に重傷を負わせ、
さらに万人敵関羽と戦っていた。
双方互いに引くことの出来ない正念場で、張遼がかつての恩義に報いるべく
戦いに乱入し、関羽を戦場から逃がす手助けをした。

 一方別の場所では、劉備が秦宜祿の率いる伏兵に遭い全軍を壊滅させてしまう。
その中で彼は一人生き延びることしかできなかった。
生死の境に立った彼は、自分に欠けていたものが何かをついに知る。

 この戦いによって、呂布は皇叔を走らせるも、梟雄の到来を招いてしまった!
曹操と呂布、両者の戦いの火蓋が今切って落とされた!



 第二十九巻
第29巻裏表紙
 呂布を討つべく、曹操は自ら徐州に出陣した。
先鋒の夏侯惇がまず陥陣営と対峙、緒戦に敗れ、不運にも左眼に矢を受けてしまう。
しかし重傷を負った夏侯惇は少しも躊躇うことなく眼を引き抜き、その場で呑み込んだ。
それだけにとどまらず、彼は最期の時が来るまで奮闘を続けていた。

 司馬懿は策を用いて高順の主力を引きつけ、その隙に夏侯惇を救うよう韓浩に命じた。
この事は曹操軍に加入したばかりの司馬懿に、郭嘉の信認と夏侯家の信頼をもたらした。

 呂布は人手の必要に迫られ、侯成、宋憲、魏続、この三人の董卓の旧将を本隊に召集した。
三人はこれまで恥を忍んで重責を担い続け、前主の仇を報ずる機会を待っていた。
しかし魏続はなんと陳宮の内応者だったのだ。
陳宮は彼に荀ケをわざと逃がすよう命じた。
曹操軍を徐州深くまで誘い込み、これを一挙に殲滅するために!



 第三十巻
第30巻裏表紙
 曹操は徐州を攻めるも、いまだ勝ちを拾えずにいた。
そこへ賈詡が参陣し、「公子献頭」の計を用いて司馬懿を呂布の下へ送った。
司馬家と曹操は不倶戴天の仲ということもあり、呂布はまったくの無防備な状態で
司馬懿の策を採用した。
これにより高順の騎兵は前線から撤退、郭嘉の思い通りに事は運んだ。

 郭嘉は再度、天の時、地の利に反する奇策を実行した。
泗水と沂水が決壊したことで下邳は水没し、呂布は窮地に追い込まれた。
娘を袁術の息子に嫁がせ、その引き換えに援軍を得る。
洪水に阻まれた呂布にはこれ以外に道は残されていなかった。

 呂布は闇夜に乗じ、娘を背負い戟を手に単騎城を出た。
しかしこの事は敵の知るところとなり、彼らは千軍万馬に包囲された。
呂布は敵の猛追を振り切るべく必死に応戦するが、結果、背中の娘を危機に晒してしまう。
そして許褚の斧が振り下ろされ、血しぶきが上がった……。



[ 2〜10巻 / 11〜20巻 / 21〜30巻 / 31〜39巻 ]

(C)東立出版社有限公司


inserted by FC2 system