火鳳燎原』予想

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 ここでは『火鳳』の今後の展開や、未登場人物についての
予想をしていきたいと思います。
(予想というよりは妄想に近い内容になると思いますが)

 ダメ出し及び叩きは大歓迎ですので、何とぞよろしゅうに。



予想その一 "八奇"の正体

 現地の掲示板でも何度となく話題に上がる「八奇の正体」。
今回はその正体が誰であるか様々な角度から検証し、予想していきたいと思います。
注・「八奇」が八奇全体と八番目の弟子のどちらを指しているのか
そのままでは紛らわしいので、当項では"八奇全体=水鏡八奇"、
"八番目の弟子=八奇"と表記します。


八奇 八奇の定義

 まずは水鏡八奇の他の面子のおさらいから。

一奇・袁方
二奇・荀ケ
三奇・賈詡
四奇・郭嘉
五奇・周瑜
六奇・龐統
七奇・臥龍(ほぼ間違いなく諸葛亮)

と、このように一名のオリキャラを除いて、三国志を代表する人物が名を連ねています。
恐らく、八奇も彼らと肩を並べられる人物であると思われます。
簡単かつ荒っぽい例え方をすると、光栄ゲーで知力90以上。

 次は水鏡八奇の席次について。水鏡八奇は基本的に生年の順に並んでいます。
そこから察するに、八奇は諸葛亮と同い年か年下であると思われます。
ただ例外として、賈詡は生没年が分かっていないのに、
荀ケの下・郭嘉の上という位置に収まっています。
そのため必ずしも生年順の法則があるのかは分かりません。

 生年以外では、シナリオの進行上で活躍する順=顔を晒す順に並んでいるとも
考えられますが、この解釈は強引かもしれません。

 次に水鏡八奇各々の所属勢力について。
第6巻の第43回を見れば分かるように(詳細は各話紹介を参照のこと)、
三奇〜八奇のうち三人は曹操もしくは孫家、残りの三人はそれ以外の勢力に
所属するものと思われます。
(ここでは、彼らが将来心変わりすることが無いものとして考えていきたいと思います)
三奇〜七奇の内訳は以下の通り。

賈詡(董卓)
郭嘉(曹操)
周瑜(孫家)
龐統(劉寵、陳国に封じられた皇族。後に恐らく劉備)
臥龍(?、13巻の描写から恐らく劉備)

虎牢関の戦い当時、彼らがどう考えていたかは分かりませんが、
後の描写から察するに以上のようになります。
この内訳が正しければ、八奇は曹操もしくは孫家に仕えると思われます。
そして、勢力のパワーバランスを考えると、この二者のうち曹操ではなく
孫家に仕える可能性が高いと私は思います。

 以上より、以下の三つを八奇の正体の三大定義とします。

・その一「光栄ゲーで知力90以上の人物」
・その二「諸葛亮と同い年か年下の人物」
・その三「曹操もしくは孫家に仕える人物」

 これらの定義を元に、現地の掲示板でよく名前が挙がる人物と、
私が予想している人物について検証していきます。


八奇 八奇と目される人物たち

 以下は、私の独断と偏見で選抜された候補たちの下馬評です。

××


















場違いな人が混ざっている気もしますが、お気になさらず。
とりあえず左から順に検証していこうと思います。


徐庶 "現地では大人気。だが…"

 まずは、現地掲示板において八奇の正体として最も支持されている徐庶から。

 諸葛亮の友人であり、なおかつ若い頃は遊侠の徒だったこともあり
日本でもやたらと人気がある彼。
演義では龐統とも繋がりがあるため、火鳳に於いてもほぼ間違いなく、
水鏡府と関わりの有る人物として登場すると思われます。

 人気と水鏡関係者であること、この2点を理由に支持されている彼ですが、
上記の三大定義に照らし合わせてみるとどうなるでしょう?
その一は問題無くクリアしています。
その二は徐庶の生没年が不明なため、なんとも言えません。
そしてその三、普通に考えれば徐庶は劉備の配下である印象が強いため、
この定義には当てはまりません。
こうして見ると、徐庶が八奇である可能性はあまり高くないと思います。

 ただ徐庶には、「赤壁以後、何をやっていたか定かでない」という特徴があります。
もし八奇でなくともこれまでの龐統や臥龍のように、
歴史の裏で活躍させるにはもってこいの人物といえるでしょう。
火鳳ではむしろ、徐庶は魏に行ってからの方が活躍できるような気さえします。

 以下は、八奇とはあまり関係の無い妄想です。
 残兵があんなことになった今、司馬懿が腹を割って対等に話し合える相手は
兄の司馬朗のみ。(今後、弟たちが化けるかもしれませんが)
その兄さえも司馬懿より先に死んでしまいます。
そうなったとき、司馬懿の周りに誰も居ないなんて事になれば、
シナリオの進行上非常にマズいんではないかと。
 そこで許定のように、
「何をしたかはよく分からんが、それなりの地位に収まる」徐庶に
司馬懿関連のオリジナル設定を与えてやれば、この原典で人気のある人物を
蘇生させることにもなり、一石二鳥にも三鳥にもなると思います。


陸遜 "定義を満たした大本命"

 人気、実力、実績すべての面で、前述の徐庶を超える陸遜。
現地では徐庶に次いで候補に上げる人が多く、私も大本命は彼だと思っています。
なぜなら、上記の定義をすべて満たしているからです。

 その一は言うに及ばず、その二は諸葛亮の2〜3歳年下ということで、
他の面子と同年代という設定でも辛うじて問題ありません。
その三も孫家に仕えるということで、定義に合致しています。
三国鼎立した後、呉の大黒柱として魏の司馬懿・賈詡、蜀の諸葛亮と
対する存在になる点も見逃せません。

 これだけを見れば完璧すぎるくらいですが、問題が無いわけではありません。
これは2chのスレで他の方も言われていた事ですが、活躍を始める時期が
他の水鏡八奇と比べて遅すぎます。
 陸遜の演義での初めての活躍は、濡須口で窮地に陥った孫権を救う場面です。
つまり、演義最大の見せ場である赤壁の戦いの後。
これだけでも結構なマイナスポイントになると思います。
 加えて、二度目の見せ場である対関羽戦。
このとき陸遜は若輩の将として登場するわけですが、火鳳では40近いおっさんを
若いとか未熟とは言わないと思います。そして陸遜のような重要人物は、
本格的に活躍し始める時期に2〜30歳になるように調整されるでしょう。
そうなると水鏡八奇より一回り下の世代になってしまう。
 そして追い討ちをかけるようですが、関羽の敗因の一つに陸遜を軽視した点が
挙げられ、もし陸遜が八奇であれば関羽が侮るはずがありません。

 これだけ問題があると、本命とはいえ確定と言うには些か心もとないでしょう。
まあ、活躍の時期なんかは作者の匙加減で、どうとでもなってしまうんですけどね。

 以下、妄想。
 前にも掲示板の方に書きましたが、陸遜は周瑜の後継者として登場させるのが
ベストだと、個人的には思っています。
周瑜のライバルと言えば諸葛亮ですが、火鳳の彼は「融通の利かない不器用な人間」、
簡単に言えば「生き方が下手な奴」として描かれています。
その諸葛亮が後継者である馬謖の育て方を誤り、周瑜が陸遜を立派に育てれば
世代を超えた人物の対比を描けるんではないかと。
(実際に陸遜と関わりが深いのは、周瑜よりも呂蒙だとは思いますけどね)


魯粛 "何気に水鏡八奇の関係者だったり"

 さて、お次は陸遜と同程度の支持を集める魯粛です。

 正直、私には魯粛がこれほど支持されている理由が分かりません。
徐庶のように、八奇の中に友人と呼べる人物――周瑜がいるからでしょうか?
そういえば、魯粛は龐統の推挙もしていますね。
つまり水鏡八奇との繋がりは充分有ると…。
とりあえず定義に照らし合わせてみましょう。

 その一、その三は問題ありません。しかしその二に引っかかっています。
魯粛は周瑜より3歳年上です。席次が周瑜と前後するくらいならともかく、
末席となると正直無理があるような気がします。
後に魯粛が周瑜の後任になることを考えれば、周瑜より席次が低いだけなら
特に問題無いんですが…。


馬謖 "ありえないだろ。常識的に考えて…"

 上記の三人ほどでは無いにしろ、なぜか頻繁に名前が挙がる馬謖。
彼の名を挙げる人は、ただ馬謖って言いたいだけじゃないのかと。
そう言いたくなるくらい、的外れな意見だと私は思います。

 なにしろ、定義その一から既に引っかかっています。
私が大好きな三國志6での馬謖の知力は、確か7〜80程度だったと思います。
その数値を度外視しても、街亭であんなヘマをやらかすような男が
作中でも最高レベルの智者に数えられるのは納得いきません。
 次にその二。諸葛亮より9歳も年下です。荀ケたちと同年代という設定は
諸葛亮でさえ無理があるのに、ここまで離れてしまうとかなり厳しい。
 そしてその三。劉備に仕えるわけですからこれもアウト。
 つまり全部アウト。

 大体、馬謖よりも兄の馬良の方が評判が良かったんだから、推すならこっちだろうと。
彼の生年は分かりませんが馬謖よりは諸葛亮に近く、しかも兄事していたわけですからね。
兄弟弟子という設定でも無理がありません。
 加えて、馬謖と言えば諸葛亮の後継者候補であり弟子のような存在。
火鳳では、司馬徽の孫弟子とした方がよりしっくりくるはず。
予想をする上では、こういった思い込みは捨てるべきなんですが、
個人的には馬謖とその他の面子が同列に並ぶのは、何か許せないものがあるので、
この可能性は強く否定させていただきます。

 これだけボロクソに言って、もしも八奇が馬謖だったら
顰蹙買いまくりだろうなあ…。


黄月英 "可能性はゼロじゃない"

 候補の中でも一際浮いて見えるのが、この黄月英です。
彼女も馬謖と同じように、何故か名前が挙げられる人物の一人です。
彼女は諸葛亮の妻に相応しい聡明な女性だったようですが、
果たして八奇の正体に相応しい人物なのでしょうか?

 まずは定義その一から。いかに天文や地理に詳しいと言っても、
他の面子と並ぶのは憚られる気がします。
その二は、実際はどうであれ、諸葛亮と同年代の人物という設定が無理なく生かせそうです。
その三は、諸葛亮の妻になるわけですし、劉備に仕えると言っていいでしょう。
 このように定義の面から見ると、彼女を推す意見には首を傾げたくなります。

 しかし火鳳では現在、名前があってなおかつ活躍する場面がある女性キャラは
孫淑と山無陵(あと強いて言えば小孟)だけしかいません。
近いうちに大喬小喬の姉妹が登場するみたいですが、それでもかなり少ないと言えるでしょう。
 そこでテコ入れとして、火鳳のメインキャラである水鏡八奇の中に女性を入れるのは、
そんなに不自然なことでは無いと思います。
司馬懿にとっての山無陵に対する存在として、諸葛亮の妻が重要キャラとして登場する事は
充分考えられる事ですし。
 しかし臥龍が登場するときは基本的に鳳雛とセットであり、八奇と二人で
登場した事が一度も無い事を考えると…。

 私個人の意見を言えば、水鏡八奇の中に女性を混ぜるのは空気を読めてないとしか思えません。
これだけ読者に予想させておいて、「実はオリキャラでした」なんてオチよりは多少マシですけど。

 ここで少し閑話休題。
 現地の掲示板で黄月英の事を"猪哥的老婆"と紹介していて、ちょっとだけワラタ。
最初は意味が分からなかったんですが、"猪哥"と"諸葛"の読みが同じなんですね。
にしても、諸葛亮をブタ野郎なんて呼ぶとは…。


孫権 "大穴中の大穴"

 かねてより私が八奇の正体として期待しているのが孫権です。
三国の内の一方の勇が実は八奇だったら、灯台下暗し的サプライズを
演出できると思うんですがどうでしょう?
では、定義に照らし合わせてみましょう。

 その一は、孫権自身が君主だったため、誰かに献策するような印象はありません。
しかしその外交手腕や、長年呉主であり続けた点は評価されて然るべきだと思います。
その二、孫権の年齢は諸葛亮より一つ下なので、これ以上無いほど合致しています。
加えて、孫淑が後の孫夫人になると考えると、孫権は彼女より年上になりますから、
孫策との年齢差も原典ほど大きくはならないと予想できます。
そしてその年齢は八奇の予想年齢にも近いだろうとも考えられます。
その三も当然問題ありません。

 そして演義での登場もこの候補の中では最も早く、かつ長期に渡る活躍を期待できます。
これだけ見事に条件を満たしている人物は、他にはいません。
以上の理由で、私は八奇の正体が孫権であると考えます。

 問題があるとすれば、他の水鏡八奇と比べて人生の浮き沈みが激しい事でしょうか。
戦は下手だし、晩年は壊れまくってますし。
カッコいいキャラのカッコ悪いところが描かれない、もしくはかなり薄めて描かれる火鳳では、
もし孫権が"カッコいいキャラ"に分類される八奇であった場合、下手をすれば魅力が
半減してしまう恐れがあります。
 ただ、孫権のキチガイじみた部分や暴君のような面、そして生き残るためには
手段を選ばず汚い事もする点を美化せずに上手く描写できれば、これまで登場した
キャラには無い魅力を持たせる事ができ、物語に深みを持たせることも出来るでしょう。
火鳳は登場人物の性格付けが皆小奇麗にまとまり過ぎている感があるので、
ここらではっちゃけた性格のキチガイに登場して欲しいですね。


八奇 で、結局誰なのよ?

 長くなってスイマセンでした。
以上の検証から八奇の正体は、

徐庶・陸遜・孫権

この三人のうちのいずれかだと、私は考えます。
他には法正とか費褘とか劉巴とか、果ては馬雲騄なんて意見も見ましたが、
どれも決定打に欠けるので今回は取り上げませんでした。
(法正だけは凄い見せ場があるので、取り上げても良かったんですけど)

 それにしても、リアルタイム(に近い状態)で読めないというのは、
日本で人気を出す上での大きな障害である事は間違いありませんね。
先の展開を予想して楽しむという要素が失われるわけですから。
本当に勿体無いぜ!(ネタバレだらけのサイトを作った奴の言う台詞ではない)








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