火鳳燎原』第三巻

 各話の副題
 主な登場人物

  ここには各話のあらすじを載せます。

  登場人物の台詞は緑色、
  解釈が怪しげな部分は赤くなっています。


  ここには、補足的な解説や私見を載せます。


第十五回 一箭驚城
燎原火、張雷、貂蝉(小孟)、馬幇主、王剛、董卓、董璜、劉弁、劉協

 西暦190年、董卓は長安へ遷都する際、漢室の二十八の陵墓を暴いた。

 燎原火は司馬家の協力者である清風幇の隠れ家にて、司馬朗救出の段取りを説明していた。
清風幇の馬幇主は燎原火の計画に納得したものの、副幇主の王剛は現在の残兵の首領が
あまりに若いため、彼を侮り反抗した。
 そこへ皇宮の方角から突如矢が飛来した。
矢は燎原火に直撃したかに見えたが、彼は矢を口で受け止めていた。
その行為は、王剛に己が実力を認めさせるに十分なものだった。
 そしてその矢には、遷都の期日と城門の守将の名が暗号で記してあった。
必要な情報を入手し、残兵と清風幇は作戦の準備に取り掛かった。

 一方、宮中では小孟が何者かに襲われようとしていた。


「清風幇とはなんぞや?」
と思われた人がいるかと思いますが、正直私も詳しいことは分かりません。
分かっているのは、司馬家に忠誠を誓う者たちの組織ということくらいでしょうか。
残兵の成り立ちについては外伝で描かれたので、もしかしたら清風幇に関しても
この先外伝で描かれることがあるかもしれません。

 ちなみに"幇"は、暴力団などの"組"と同程度の意味と考えてもらえばいいと思います。



第十六回 両個傻瓜
燎原火、貂蝉(小孟)、袁当、董璜

 小孟のもとに董卓の甥の董璜が部下を率いてやってきた。
董璜は小孟を手篭めにすべく、彼を床に押さえつけるよう部下に命じた。
襲われつつも、董璜をかんざしで突き殺そうとする小孟。

 そのとき董璜の凶行を止める男が現れた。
董卓の信任を受け騎都尉に任じられた青年だった。
水を差されたこと、そして董卓に重用されている彼への嫉妬から、董璜は騎都尉を
散々に打ちのめした。
騎都尉は倒れながらも董璜を説得し、何とかその場を収めた。

 董璜を引き下がらせたものの、息つく間もなく董卓の息子たちが現れた。
扉の前に立ちつつ騎都尉が言った。

「俺がいるから安心しろ」

 董卓の息子たちは次々と現れ、その度に騎都尉を殴打していった。
彼は一晩中そうして殴られ続け、最後の一人が去ったときとうとう倒れた。
 小孟は身を挺して自分を守った彼の姿と言葉から、同じようにして自分を守ってくれた
燎原火のことを思い出していた。


 董璜ヤバすぎだろコイツ。DQNにもほどがある。
特に有能というわけでも、容姿が優れているわけでもなく、単に寵愛されている甥というだけで、
こんな奴が周囲から董卓の後継者と目されていたとは…。
まあもしこいつが生きてても、董卓は(以下自粛)



第十七回 天才中的天才
司馬懿、田徳、司馬徽(水鏡先生)、四~八奇、逢紀、郭図、顔良

 司馬懿は急ぎの用事で西へ向かう途中、学友の田徳と偶然再会した。
田徳は伯父の田豊と共に袁紹に仕えており、今は平陽の関東軍軍営に勤めていた。
その彼が司馬懿の力を借りたいと言う。
先輩の頼みということもあり、司馬懿は断りきれずに軍営を訪れることになった。

 軍営には関東軍の軍師たちが一堂に会していた。
昨夜捕らえた董卓軍の密使が所持していた、一巻の経文がその理由だった。
経文には四千もの文字が羅列されており、そこに隠された情報の解読は困難を極めたが、
袁紹軍の逢紀によって謎は解読された。

 謎解きに成功した直後、水鏡先生と呼ばれる老人が弟子を伴って到着した。
この老人は高名な軍師集団の創立者で、彼の元からは何人もの名軍師が輩出されていた。
彼が今回伴った弟子たちは、弟子の中でも特に優れた「水鏡八奇」と呼ばれる者たちだった。
水鏡先生は彼らに更なる暗号の解読を命じた。

 袁紹が水鏡先生を遣したのは逢紀らを信用していないからだ、と言う田徳に対し、
逢紀は田豊を貶めて挑発した。
怒る田徳を司馬懿はなだめるが、逢紀がその見覚えの無い顔を見咎めた。
部外者を軍営に連れ込んだとして、逢紀は田徳と司馬懿の処刑を命じた。
そのとき司馬懿が言った。

「もし俺がこの布の謎を解けたら…そのときは俺たちを解放してくれませんか?」


 画風のせいか、意図してのことなのかは分かりませんが、司馬懿や八奇が
10巻以降と比べるとやけに幼く見えますね。



第十八回 臥龍與鳳雛
司馬懿、田徳、司馬徽(水鏡先生)、四~八奇、逢紀、顔良

 司馬懿が八奇への挑戦を表明したことで営内は騒然となった。
司馬懿は八奇に混じって経文を眺めるが、八奇の一人が早くも謎を解読してしまう。
水鏡先生はその弟子が自分を上回る才を持つとして、二傑の内「鳳雛」の称号を与えた。

 司馬懿が敗れたとして、逢紀は再度彼らの処刑を命じた。
しかし司馬懿は鳳雛の出した答えとは別の答えを発見していた。
そしてなんと八奇の一人、七奇も彼と同様の考えを持っているという。
二人は協力し「城下一聚」の四字を導き出した。
 誰もがその意味を測りかねている中、七奇は師に董卓は洛陽を捨てるに違いないと進言した。
それも司馬懿と同じ考えだった。
しかし水鏡先生は、董卓が洛陽を捨てるはずがないと七奇の進言を一蹴してしまう。

 司馬懿は軍営を去り際、七奇が信書を手配しているところに遭遇した。
「司馬公子、もう行ってしまうのか?」
「俺の予想が正しければ……臥龍の名は君のものだ」



 司馬懿をボロクソに言う司馬徽が道化に見えてしょうがないのですが。
あの爺様の言うことはことごとくアレなので、賈詡が反抗したくなる気持ちも分かりますよ。





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